『世界から猫が消えたなら』という映画を観た。
2016年公開の、少し前の映画なのだが、タイトルに惹かれた。
世の中から猫がいなくなった世界を描いている話かと思っていたのだが、結論からいうとそういう映画ではなかった。
何なら、特に猫が主題となっている映画ですらなかった。それはそれとして、映画としてはよかっだのだけれど。(個人的には)
結局、猫映画ではなかったのだが、なぜこの映画を観たことを書こうと思ったのかというと、『猫のように気ままに生きたい』というこのブログのタイトルに通ずる、印象的なフレーズが映画の中にあったからだ。
「人生を秒とか分とかで区切って不自由にしているのは人間だけだ。」
これは、主人公が彼女とアルゼンチンに旅行に行った際に出会った、トムという男性の台詞だ。
バックパッカーとして世界中を旅する彼は、“時間”から逃げるために旅をしているのだという。
確かにそうだなと思う。
元々、時間という概念のない生物から、進化し、人間が生まれた。そこで人間が、”わざわざ”時間という概念をつくったのだ。
トムの思うところとは違うのだろうが、人間がわざわざ時間をつくったのにはきっと、(正しいにしろ間違っているにしろ)そうしたほうがいいと思う理由・意味があったはず。
猫は時間に縛られていないが、時間で縛ることによる何かしらのメリットを、人間は享受しているのだろう。
トムは、『猫のように気ままに生きたい』と思う、私の思いをまさに体現している人なのだろうが、ふと客観的に見ると、目の前の窮屈さばかりを嘆いて、進化に逆行しようとするトムが、少し滑稽にも見えた。
とはいえ、やりたいことをそのまま実行できるトムを羨ましくも思うから、人間って難しい。
『猫のように気ままに生きたい』と思う瞬間の方が、人生には多いのだ。