猫のように気ままに生きたい 日記 はじめまして、ちいさな猫ちゃん

はじめまして、ちいさな猫ちゃん

今年の正月は、2年振りに実家に帰ることにした。
特段何か用事があったわけでもなかったが、久しぶりに実家の雑煮が食べたくなったのだ。

少し前に、弟に2人目の子供が生まれたところで、
そろそろ自分もお年玉をあげる立場になるのかなあなんて考えながら実家の重い引き戸をガラガラと開けると、
そこにちいさな猫がいた。

おそらく1~2秒のことだと思うがそれよりも長い時間、互いに探り合うように視線を交わしていた。
と思ったら、リビングに走り去ってしまった。

祖母の家にいた、ハチとよく似た柄の白黒の猫。
母曰く、知人から生まれたばかりの子猫をゆずってもらったのだという。
名前は「ナナ」ちゃん、母命名。
その子猫をひと目見て電気が走ったから、ゆずってもらい、今に至るらしい。

どこぞの少女漫画かよ、と心の中でツッコミを入れながら、子猫に近づくと、
「ニャ〜」とか細い鳴き声をあげながら、足元に擦り寄ってきた。

おばあちゃん猫だったハチとは違い、ナナは元気盛りで、起きているときは常に走り回っていた。
そして、猫にはめずらしく、とても人懐っこかった。

私がたらふく雑煮を食べてコタツでだらだらと正月のお笑い番組を観ていると、
いつの間にかナナが膝の上に乗ってきて、ごろんと腹をみせる。
そんなナナの腹を撫でていると、気付けば自分もうとうとしていて、目覚めるとすっかり部屋が暗くなっていた。

次の日には、弟夫婦が子供と一緒に実家に帰ってきた。
人生初のお年玉を上の子にあげ、その日は一緒におままごとやブロック遊びをして1日過ごした。

遊びたいときに遊び、お腹が減ったときにご飯を食べ、眠りたいときに眠る。
久々に気ままな猫のように過ごした正月だった。

そしてまた社畜の日々に戻る。
次に実家に帰るときは、エノコログサでも持っていこうかな。